:: rainbowdrops ::

東大生の親は「勉強しなさい」と言わない?

 

東京大学を受験するような家庭の共通点は、
・「勉強しなさい」と言わない
・ピアノを習わせている
と言われている。たぶん事実だ。

ただ、よく見かける、「親の共通点」を述べた情報にありがちな、
・「勉強しなさい」と言わないと勉強するようになる
・ピアノを習わせると頭が良くなる
これは間違いではないかと思う。

「勉強しなさい」と言われないと勉強しない、というような子は、まず東大に行かない。言われなくても、勉強に興味があって、先生から宿題を出されたら遊ぶ前にやらなきゃと思えて、さっと取りかかれる。または、小学生の頃はそれほどでもなかったが、思春期を迎えて急に変化する子もいる。

東大生の習い事は、ピアノや水泳、とのことだが、どちらも「一人でコツコツ」やれることが特徴。特にピアノを習うような子は、学力の高い子が多い。従順で、楽譜を読むのが苦にならない、家で自ら練習できる、親が裕福でレッスン代を出せる、ということが条件となる。これが出来ない子は東大に行かないような子だと思う。水泳は、個人プレイが得意な子がやや多いだろうが、だいたい東大に限らず誰でも習っているものだ。

東大に行くかどうかは、一番に家庭の境遇。心がポジティブになるような、揉め事の少ない家庭環境であったり、経済的に余裕があり心に余裕のある家庭であったり、安定感のある環境。または、個人の資質。子供が何に興味を持つかは、生まれ持った特性だ。運良く、学校で行われていることに興味が持てた子は、少々家庭に問題があっても、先生から褒められ友達から一目置かれ、全体的に頑張れる。

親が裕福だと塾に通えるから優秀になるというのも、やや間違い。遺伝的に勉強が得意なのと、塾に自ら通うような子だと手がかからないので、親が働けるのと。塾の送迎が大変、という意見があるかもしれないが、言うことを聞かなくて、自分のことが自分で出来なくて、という子を育てる苦労とは比べ物にならない。

「勉強しなさい」と叱られる方の子の特徴も挙げておこう。

・出された課題に興味が持てず、なかなか取りかかれない
・みんながやっているから自分も、という発想がなく、周りに流されない
・親が勉強熱心な人でも、影響を受けない
・ピアノなど頭を使う習い事、机に向かう習い事が嫌い

基本的にマイペースで周りを見ないため、周囲の影響で成長するということが少ない。こういう子は、放っておいたら落ちこぼれて不登校になったりもする。親が裕福でない上に育児負担が増えると、経済を直撃するし、親なら当然、落ちこぼれてほしくないと考える。親としては、手のかかる子は非常に困る。強く声がけを続けていけば、何とか宿題くらいはやれるので、「勉強しなさい」と日々叱ってでも勉強をさせる。もともと勉強に興味がないか、または理解力に余裕がないので、叱らなければやらないし、親が付き添わないと出来ない。だから、放置するよりは良いと考え、叱ってやらせることになる。叱ればやるのであれば、少々叱るのも、よくある日常。

だから、「勉強しなさい」と叱ることが原因で東大に行けないわけではない。成功例だけを見ていると、あたかも同じようにしたら東大に行けるかのような誤解を与えるが、対応は人それぞれ。子供には、十人十色の育て方があって、統計では説明のしようがないのだ。