コロナ自粛CM、若者の声が政府に届いていないのでは
新型コロナウイルス感染のリバウンド回避の鍵の一つとして、テレビ離れの若者向けに「コロナ対策CM」動画が制作された。政府の呼びかけが若者に響いていないと。本当か。
逆ではないだろうか。若者の声が政府に届いていない。このCMで、崖から背中を押されたように感じる若者がどれほどいることだろう。
大学が休校になり、就職内定が取り消され、飲食店でのバイトが切られ、新生活するはずの夢のアパートも解約して、ネットカフェが閉鎖され、窮地に立たされた人の多くは、若者ではなかったのか。
感染者に多いのは、20代の女性。それは、看護や接客業の多くを若い女性が担っているからではないだろうか。若者が宴会を行って感染を広げているという論は違和感がある。
もちろん、意識の低い若者はいる。ただ、意識の低い高齢者はもっといるかもしれない。
自殺者数増加。新型コロナの死者数よりも多い。内訳は、女性や子供が特に増えているとのこと。自殺未遂による後遺症の方の数を含めれば、はるかに多いかもしれない。誰にも頼れない人への対策が急がれる。
「友人のため、家族のため、仕事のため、健康のため、恋人のため・・・」
コロナ自粛CM動画の制作者は、みんな20代。一生懸命よく作ったと思う。新型コロナから多くの人の命を守るために自粛しなければならないのも事実。問題なのは、「今どきの若者は」という観点でCMが発案されている点。恵まれた若者が集められて作ったに過ぎない。このCMで影響を受けるのは、元から困窮している真面目な若者だけのように思う。
人は誰もが、周りの人のため、世の中のために、自分の命を犠牲にしなくて良い。守りたい「大切な人」は誰にでも存在するものではない。自分の命、自分の心を一番に守る行動をして良いのだ。
誰かのためではなく、まず自分のために生きよう。私が何を言ってもどうにもならないのだが、このCMを取り下げてもらえないだろうか。