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子供がおもちゃを片付けない!捨てるべき?

 

「片付けないなら捨てますよ、と一度口にしたのなら、有言実行で、きっぱりと捨てましょう」という育児論を聞いたことがある。捨てると言ったのに、やっぱり捨てないと、子供が何を信じたら良いか分からなくなるので、親はブレずに、どんなに高価な物でも捨てましょう、だそうだ。

実際のところ、片付けられなかったという理由で、大切なおもちゃを親に捨てられた経験のある子を見ると、友達におもちゃを次々と譲ったり、平然と分解してみたり。物を大切にしなくなっているではないか。

片付けの本質とは、自分の大切な物を、大切に扱うこと。自分にとって何が大切かを見極めることでもある。

大切な物を親に捨てられることで身に付く片付けは無いように思う。それは一時的な強い脅しだ。子供から見たら、論理的に筋を通したというより、親が物に怒りをぶつけている、または冷静を装って冷酷である、という風に見えていることだろう。そして、自分の大切なものが理解されなかった、と感じる。自分は片付けの出来ない悪い子だ、と思う。今度こそは片付ける、の「今度」が用意されていないのだから。

私は、子供の大切なおもちゃは、私も一緒に大切にしている。高価なものなら、なおさら捨てない。お金は誰かの努力だ。大好きなものは繰り返し使うから、散らかることがあるのは当然。たとえ大切でなさそうなものでも、捨てる時は子供本人に尋ねている。

我が家では、家の中に、おもちゃを常時広げるエリアを作っている。越境したおもちゃは、片付けるというより、エリア内に戻すように言う。ときどき、全部収納するか、「とりあえずボックス」に入れて掃除する。エリア外が散らかっている日は、ゲーム権が得られない。

「捨てましょう!論」の家庭のお父さんがいつも食卓に置きっぱなしにするスマホ、床に脱いだ靴下、それらは子供にゴミ箱に入れられても、文句は言えないだろう。大人の持ち物は大事で、子供の持ち物は大事でないだろうか。仕事は大事で、成長は大事でないだろうか。

片付けなさいと言う前に、物を買う時には収納も用意する。広げて良い場所も用意する。自由に広げて良い時間も。

子供本人が大切にしているおもちゃは、取り上げたり、捨てたり、けなしたりしない。それが物を大切にする習慣であり、片付けに繋がる習慣でもある。