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理解ある奇跡のお友達

 

小学校、上手くいかないまま、二年生を修了した息子。昨日の続きの話。

慢性的に体調が悪く、なかなか登校、外出できない息子。担任の先生も、カウンセラーの先生も、体調が悪くなったら我慢せずに言えるといいですね、言わなきゃ分からない、って言うんだけど、ちょっと違うかな。悪く「なる」んじゃなくて、もともと悪い。生まれつき、それが普段どおりの自分なんだ。

「どうして自分以外のみんなは、何でも軽々と頑張れるのか。」
息子が感じているのは、そんな疎外感。プライド高く気の強い息子にとって、屈辱的な状況だ。それでも日々、笑顔を絶やさない。

でも、息子の周りには、そのことに気付いてくれる奇跡の子供たちが。

三月のある日、二時間目くらいから登校すると、息子のクラスは体育。息子の姿を見つけた子供たちが、次々と目を輝かせて駆け寄った。それはもう大騒ぎ。意地悪を言う子は、一人もいない。

体育が終わると、一番仲良しのKくんが、何とも言えない顔つきで、私に向かって黙って深々とお辞儀をした。まだ8才なのに。そして、Kくんともう一人が、息子の両脇を支えるようにギュッと抱きしめて、校舎に入って行った。

学校から帰ると、息子のランドセルには、友達からもらった、たくさんの折り紙が。カラーホイルや、ホログラムの超レアなやつとか。シールやアクセサリーパーツを持ち帰ってきたこともあったな。お友達が大事にしていたものじゃないのかな。

それから何日も経ってから聞いた。Kくんが、引っ越すって。後からKくんのお母さんに聞いたら、年明けから決まっていたんだけど、具合の悪い息子に、Kくんは言い出せなかったんだって。毎日、帰宅するたびに、今日も言えなかった、って言っていたらしい。

息子は、Kくんへの餞別に、マスコットを選んだ。Kくんと何度も一緒に遊んだゲーム、そのキャラクター。色違い二つ買って、お揃いで持っていたいんだって。最後にKくん家へ遊びに行った時に渡したら、Kくんは、ちょっと泣きそうな笑顔で受け取ってくれた。

誰とでも仲良くできて、誰が仲良しか分からなかった息子が、入学して最初に、Kくんと仲良くしたい、と言った。初めてのことだ。二年生のクラス替えでも同じクラスになった。

息子は、本当は何でも一番がいいのに、今は全然かっこいい自分ではなくて、その悔しさを知られたくもない。

それでも、自分が人から愛される人だと思えるか。ありがたい。きっとこれからの生きる力になると思う。

四月から、下の子も小学生。腕を怪我していて利き手が使えない妹を、一年生の教室まで送って、身の回りのことを手伝ってくれないかな。