続・サンタが来る
私が小さい頃、毎年クリスマスの朝、枕元に小さなプレゼントが置いてあった。包み紙のカシャカシャした手触りが大好きだった。
誰が置いたか知らないし、どうでもいいけど、誰かが私を愛してくれていて、プレゼントをくれるんだと、嬉しくなった。
サンタクロースは北の国に、いるかいないか知らないけど、世界中にプレゼントは配れない。トナカイは空を飛ばない。トナカイは鹿の仲間。
家に宅配便が届くたびに、母がクリスマスプレゼントを受け取ったのではないかと、見て見ぬ振りをした。
姉は私に、作り話をした。シャンシャン空を飛んできて二階の窓から入るんだとか、薄っぺらくなって窓の隙間を通るんだとか。なるべく信じたような顔をして聞いてあげた。
私が小学生になった頃、姉のお願いした通りのものが届くようになった。どうやら姉は、サンタクロースとつるんでいる。
学校の友達は誰もが、サンタクロースなんていない、って言う。私も最初から、あの赤い服の老人がプレゼントを配るとは微塵も思っていない。そういう意味で、いない、に一票。
ある聖なる日の朝。母と姉が笑い出した。私がサンタクロースを信じていると、笑い転げているのだ。今度は、どんな振りをしてあげたらいいんだろう、と考える間もなく、腹立たしかった。サンタクロースに失礼だ。
今もきっと、誰かが私を愛してくれていて、私は子供たちとサンタクロースを待つ。サンタさんありがとう。
ウチの子供たちは、今年は何もお願いしなかった。いいの、何もお願いしなくても、サンタさんは必ず、一番欲しいものをくれるよ、だって。
二つの大きなプレゼントが届いた。大満足の様子。甘いかなあ。子供たちの喜ぶ顔が見たくて仕方がないんだけど。
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