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『宇宙戦隊キュウレンジャー』を絶賛

 

二月からTV放送開始の『宇宙戦隊キュウレンジャー』。好き好きあるかと思うけれど、私は子供に積極的に見せたい。愛のある未来をみんなで創ること、それを分かりやすく楽しく教えてくれる。

九人の救世主、キュウレンジャー。第一印象は、返信サウンドが宇宙的で鮮やかで印象深い。

五人は人間の姿、四人は着ぐるみ。人間五人は、新人俳優、本気度が伝わってくる。感情表現も細やかだし、アクションも上手い。爽やかで個性的で、若いけれど自分の生き方を持っている五人。よく発掘したな。声優四人は、ベテランさんのようだ。顔を出していないにもかかわらず、圧倒的存在感。制作者の本気が感じられる。

変身アイテムは「キュータマ」というクリアのカラーボール。男の子の大好きが詰まっている。変身後のボディスーツのデザインもスタイリッシュ。敵が襲ってきたら戦う話ではなく、宇宙で困っている星を探して自ら飛び込んでいくという話。そこが近年のものとは違う。

オープニング曲は、子供たちへのメッセージが凝縮されていて、朝から猛烈にヤル気にさせてくれる。エンディング曲は、ややレトロな雰囲気で、「キューキューターマ、タマタマキューキュー」とイケメン俳優たちが腰を前後に振りながら踊る。斬新でハイセンス。

スーパー戦隊シリーズは、コメディ。キュウレンジャーは特にダジャレが上手すぎる。そして、馬鹿みたいにポジティヴ。

それが、馬鹿みたいじゃない。第一話でのこの場面。

主人公レッドが、ブルーに初めて出会う。レッドは人間、ブルーはオオカミ。そこで聞いた話は、ブルーの一族が敵に皆殺しに遭い、強かったブルーは独り残され、戦意を失っているとのこと。レッドは「だったら、なおさら戦わなきゃいけねえだろ!」と言い、なぜか二人は馬鹿みたいに決闘、レッドが勝つ。

そこでレッドが叫ぶ。「お前、俺と戦えて運がいいな!俺はお前より強い。つまり、お前より先には死なねえ。俺が一緒に戦ってやる。だからお前は、思う存分戦えよ!」

ちっとも筋が通っておらず軽快で、なおかつ深い。人の孤独と恐怖に対するこれ以上の救いの言葉は無い。特撮で第一話から泣けたのは初めて。

第二話で、レッドがシルバーに初めて出会う場面。シルバーは人間で銀髪の美しい青年。感情を失っているシルバーとの会話で、シルバーが片言のような言葉で、「ナカマとは何だ?」「大事なことを決めてくれる存在か?」の問いに対し、レッドは、「自分のやりたいことは自分で決める。それを支え合うのが、仲間、ってもんだ。お前のやりたいことは何なんだ?」と答え、その後、仲間になる。当たり前だけど見落としがちな、子供たちに教えたいその言葉。

毎週30分、そんな言葉で埋め尽くされている。無駄な言葉は見つからない。その後も「お前のやりたいことは何だ」と、「仲間」という言葉が絡みながら、回を追うごとにつながっていく。仲間たちの夢が、次々と叶っていく。脚本、キャスト、最初から完成度の高い作品だと思う。

キュウレンジャーなのに、さっそく10人目、11人目が出てくるという裏切りも、悪くない。そんな予測のつかない日曜朝に期待。