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5才、成長の逞しさ

 

娘、5才の誕生日。

「ママー、ほら、ここも届くよ。ねえ見て、伸ばさないでも届くよ。5才だから。」

と、目を丸くして大きな声で、電気のスイッチや水道が、背伸びをしないで使えると、何度でも得意気に話す。すごいね、さすが5才だねと、私が答える。

小さいなあ。いつも兄妹でいると、いつまでも小さく見える。

娘は、1才から滑舌良く上手に話し、1才夏にはほとんどトイレに行き、2才から上手に箸を持ち、何かと器用なので、赤ちゃんから現在までの変化がピンとこない。一方で、いつまでも頭の小さいふっくらした顔で、幼く見える気がする。

誕生日には、要望のあったチョコクリームのケーキに飾りを載せてロウソク5本、お願いされていたパーティーグッズのクラッカーをパンッとやって、プレゼントは、TVアニメ『魔法つかいプリキュア!』のしゃべるぬいぐるみと、レゴブロック。ブロックは、複雑なキットを、私が何も言わないうちに、あっという間に手順に従って完成させていた。

保育園から頂いた今月のお便りに、誕生日の子の紹介があって、「走ったりジャンプしたり、前転も!!運動が大好きで、出来ないときは出来るまでチャレンジする努力家です♪」と書いてあった。そうなのか。家でも、しょっちゅう理由もなく逆立ちをし、ブリッジをし、前転をし、ジャンプし、一動作ごとに体操をしている。食事中にときどき頭と足が逆になる癖は、まだ直らない。

運動会では、フラフープを使っての団体体操を、やや固い表情で自信たっぷりにこなし、さらに周りの子がきちんと出来ているかどうか、チラチラと横を見ていた。担任の先生からも、さりげなく周りの世話を焼いていると言われた。出来ない子を理解し、馬鹿にせず尊重していると思う。

娘のこんなに真面目で真剣な顔は、家では見られない。帰宅すると、「ママだいすきー。」と抱きついて、すぐ泣いて、言いたい放題言って、アクロバットする。

おもちゃの箱を全部ひっくり返して、家じゅうに広げてから遊ぶ。床にはみ出すお絵描きに、紙吹雪づくり。ある日は、レゴブロックが、ある日は、爪楊枝が、綿棒が、全部出してある。上の子が「あーあ。」と私の気持ちを代弁する。

そんな娘も、担任以外の先生には、とても恥ずかしがりで引っ込み思案だとか。自分を出すのに時間がかかるらしい。家に来客があった時も、しばらくおとなしい。そんな様子もまた、普段は見ることができない。

園では、一番仲良しの子と遊ぶことが多いけれど、どの子とも円満に、男の子とも上手に遊ぶようだ。担任の先生との仲も良い。周囲に配慮して頑張っているようだ。

休日に出かけた商業施設で、幼児スペースを見つけると、置いてあるおもちゃを片付け始める。遊ぶ以上に、片付ける。完璧に片付くまで帰ろうとしない。そういう時だけは、こんな姿もあるんだなと思う。

家でだけ甘える子は、控えめながら強い向上心を持っている。私はそう思う。

内弁慶とは少し違う。外は刺激的で疲れるから、刺激を減らすためには、まず叱られないように、面倒を起こさないようにする。その結果、緊張感を持って過ごす。疲れて帰宅すると甘えたくなる。弱い自分を見せられないとか、そういうことではないと思う。観察力があって、人の話もよく聞いていて、気づくことが多いのだろう。

娘は、歌が大好き。アイドルを目指しているらしい。歌を音程正しく歌い、歌い出しの音の高さを間違えたと思うと、歌い直している。絶対音感。正しく合っていると思う。

好きな色は水色。可愛いより、クールが好きで、二枚目で美形のお兄さんも好き。仮面ライダーの背の高い美男子の役者さんが好きで、「スペクター見るの。」とニヤけながら、クイズ番組に出演しているのを録画で何度も見直している。

娘と私で、「第二子・女」同士で意気投合することも増えてきた。娘はよく私にナイショ話をして、クスクスと笑う。

ようやく娘と二人で静かにカフェで過ごせるようになってきた。そうやって二人きりになることが、園を休んだ日くらいしかないんだけど、大きな成長を感じる。上の子の方が静かで、上の子と二人でカフェに行けたのは、4才からだったような。

1年前、娘の4才の誕生日のすぐ後に引っ越した。家での誕生日祝い、園での合同お祝い、運動会など行事を終えて引っ越した。4才の誕生日には、アナと雪の女王のエルサのドレスをプレゼントした。喜んで着ていた。

0才の時から、しょっちゅう体調を崩していて、かんしゃくを起こし、わがままを言い、静かに過ごせることなど最近まで無かった。2才の時に一度、命を落としかけた。突然死の一歩手前とのことだった。そんな、虚弱体質の娘。今はようやく、今までになく元気いっぱいだ。今年度に入って初めての病欠が、ちょうど誕生日の前日から。園で流行りの感染症で出席停止だったが、高熱にもかかわらず自覚がないらしく、元気に家で過ごした。

娘は、逆境にあっても伸びていく逞しさを持っている。場は読みつつ、嫌なことは嫌と、全身で表現して、その場で感情を吐き出して、考え過ぎず、後を引かない。

上の子の5才で、長い文章を書いているので、今回も長文。この文章が、未来の娘への誕生日プレゼントだ。5年間、上の子の経験をもとに、上の子よりは手をかけて丁寧に育てることができたと思う。このまま何とか健康を保って育っていって欲しい。