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いちばん大切な人をいちばんに、大切に

 

保育園の担任の先生に、個人的に面談を申し込んで、話した。申し込んだ時点で、先生は、娘のどこに問題を感じるのか、と不思議そうな顔をした。

たしかに娘は、本が読めて、そこそこ字が書ける、絵や工作が得意で、遊びを創造できて、運動も得意。好き嫌いなく食べ、きちんと寝る。そういった器用さを見ていると、先生も安心してしまうだろう。

そういう遺伝的要素は、育児において重要ではない。大事なのは、心身が健康であるか、大人になってお金を稼げるか、家族と幸せになれるか、そういったところ。

うちは機能不全家庭。家族というものに縁が薄い。園や学校で緊急連絡先を書くたび迷う。親族は私一人だ。まずはそんな事情を伝えた。

娘が、外で普通にやっていけているかのように見せるための、本人の努力は半端ない。まだ4才だ。その分、家ではよく甘え、言うことを聞かず、暴言、かんしゃく、多動、散らかし。活発で気性の激しい子だ。

家で良い顔をする子よりはずっといいと言うけれど、娘の今の課題は二つ。ひとつ、園でも子供らしく過ごす。大事なもうひとつ、身近な人を大切にする。

いちばん大切な人をいちばんに、大切に。それが、自分の気持ちを大切にするということだ。

娘は、おもちゃを箱から全部出し、放り投げ、紙を切り刻み、床を汚して絵を描き、やりっぱなし。何かと人のせいにし、私に当たり散らす。そんな娘に毎日のように話すのは、持ち物を大切に、特にお人形は人間と同じように愛して、家族にいちばんに優しく、綺麗な言葉で。

物を大切にしない人は、人を大切にしない。よそでばかりいい顔をする人は、家族を大切にできない。大切な人との信頼関係が築けなければ、幸せになれない。

娘は、まだ幼いのでお友達関係も複雑ではないか、大きくなって、友達が親友になるやいなや、甘え、依存し、仲良しだからと相手に自己犠牲を求めるのか。悪いことをしても許してもらえる関係を築こうとするのか。

娘の根本にあるのは、人に対する安心感の欠如なんだと思う。園でも安心して過ごせるといい。担任の先生は、この話を良く理解して下さった。強い熱意を持った先生だ。

最近、娘は、「ママばか!」と言わなくなった。日々、成長していると思う。細やかに大らかに育ててくださる先生に出会えたものだ。


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