いいこと言うなあ
5才の息子に、夕食後の果物を盛りつけてもらった。
大皿から、4つの小皿に配分する。
息子の大好物の、巨峰ブドウだ。
「○○ちゃんは、いちばん小さいからー、いっぱいだよ。
いちばん大きくならないといけないからね。
パパは、もう大きくならなくていいからー、
そんなにいっぱいじゃないよ。」
結局、だいたい同じくらいずつ盛りつけた。
体重で考えたら、息子と下の子は3対2。
パパに至っては、息子の何倍もあるのに。
いいこと言うなあ。
朝食のコーンフレーク。
「少ないよ。もっと入れて。もっともっと。」
私が、食べ過ぎないでよー、とつぶやくと、
間髪置かずに
「じゃあ、食べて減らそうかな。」
だって。
一本取られた。
日曜朝の子供番組。
10月になると、新シリーズが始まる。
9月末に惜しまれて終わった『仮面ライダー鎧武(ガイム)』。
最終回を感慨深く、息子と私で観たものだ。
「最終回だね。やったぁ、
来週から『仮面ライダードライブ』始まるねっ。」
と息子。なんて前向きなのだろうと、感心したものだ。
10月になり、待望の『仮面ライダードライブ』。
主題歌が始まるなり、息子が、
「あーっ、ガイム終わった?終わったねえ。
本当に、終わっちゃったねえー。あぁ。」
と言う。
そう。それが喪失というもの。
終わりの瞬間よりも、
始まりを目にした時が、
いちばんの別れの時なのだ。
ちなみに、保育園の当番カード。
みんな自画像が描いてある。
息子のカードが何とも息子らしい。
うっすらと水色一色で簡略な絵。
描かされたんだろうな。
興味のないものに無駄な労力を使わない。
それでいて、小さく自己主張。
いいなあ。