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天気を100%当てる子供

 

「あっ、カサ忘れた」と、5才の息子が言った。
家から外に出たが、雨は降っていない。
でも、息子がそう言うので、わざわざエレベーターで家に戻り、
傘を持って出かけた。マンションなので、けっこう面倒なのだが。
そうしたら、保育園に着く頃に、急に雨が降り出した。
それが1か月ほど前だろうか。

別のある日は、玄関で靴を履いていると、
「今日はカサ持っていった方がいいんじゃない?」
と言う。
マンションの玄関というのは、外の様子がよく分からないものだが、
息子はまるで目の前に見えているように言う。
窓の外をちらっと見たところで、雨なのか、風なのか、
までは分からない。
もう靴を履いてしまったし、そのまま傘を持って出かけると、
本当に雨。
それからというもの、私は毎日、息子に天気を聞くようになった。
息子も、私が傘を忘れないよう、毎日気にしていてくれる。

明日の天気、となると少し自信がないらしいが、
日没頃に朝の天気を聞くと、今のところすべて合っている。
「明日は晴れだと思うけど、うーんちょっと夕方頃にー、空が真っ黒かな。」とか。
日中に翌日の天気を聞くと、
「最近雨が続いたから、明日は晴れるんじゃないかな。」と、
長期的なことは、感覚ではなく、統計で答えているようだ。
それも今のところ外れていない。

一度だけ、先にテレビの天気情報を見てしまい、
影響で折衷案になり、少し外れたことがある。
私は、天気情報より息子の判断の方が正しいんだと伝えた。

今日はだいたい晴れると息子が言っていたが、
私がいつも見るスマートフォンの、東京の天気は
一日中ほとんど雨。ついに外れかと思ったら、
我が家の上空はときどき曇りつつ、晴れている。
天気情報も刻々と太陽のマークに切り替えているから、
観測地点と我が家の誤差の問題でもなさそうだ。
夕方になったら、「あっ、雨降るかなー。」と息子。
天気情報では、すでに雨は撤回されている。
天気を科学的に予測するというのは、難しいものだなと思う。

それに比べて、人間の本能は優れている。
大人はいつの間に、この能力を失ってしまったのだろう。
それとも、子供でも人それぞれなのだろうか。

我が家の小さくて頼りになる、お天気お兄ちゃん。