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2才の反抗と真心

 

10月に2才の誕生日を迎えた娘。

プレゼントはシルバニアファミリー。
小さな家と、ウサギの4人家族の人形をプレゼントした。
精巧なキッチンとテーブルとベッドの家具が付いている。
娘が大喜びで夢中になって遊ぶと、
おもちゃの家の中は震度7か、というゴタゴタ具合になる。
ときどき上の子の仮面ライダーが家を訪ねて来ては、
「やめて、こわいよー。」と怒る娘。

「はっぴだーっでぃちゅーゆー・・・」
と陽気に歌いながら、ケーキを作った。
私がスポンジを焼き、上の子が果物を飾り、娘はつまみ食い担当。
娘の大好きな、すき焼きを食べて、ケーキのろうそくを吹いた。
力が弱くてろうそくが消えないので、周りからみんなで吹いた。
すき焼きなど、小さな子供が好むものではない。
娘は、離乳食の時期から、繊維の肉や野菜が好きで、
ちょっと変わっている。
薬でも、おいしいと言って積極的に飲みたがる。

2才健診では、11.3kg、86.8cmと、女児としては標準的で、
秋に入ってから痩せ気味ではなくなってきた。
保育園の給食も残さず食べるようになってきている。
病院の小児科に着くなり、
「しまじろういるかなぁ。」と言った。
1才半健診の時に置いてあったぬいぐるみをよく覚えていた。
注射をすると言い聞かせると、「いいよ。」と余裕だった。
一瞬、「あーいたいー。」と言ったが、その後また何もなかったような顔。

好きな遊びは、お絵描きとおままごと。
お絵描きはいつも赤のクレヨンを中心に、激しく描く。
かたつむり、など、少し形のあるものを描くようになった。
クレヨンを投げ、クレヨンのケースにまで落書きをしながら描く。
上の子の几帳面な物の扱いとは全く違う。

2才になり、上の子とほとんど変わらない感じでしゃべるようになった。
やや助詞が少なく、常に大声でしゃべる。
何を言っているのか分からない部分はなく、明瞭に話す。
アイスクリームのことだけは、「あしくるむ」。
毎日、起きてから寝る直前まで話し続ける。
来客のたびに、うわぁよくしゃべるねえ、と言われる。
上の子も同じ話し方で大声ではっきりと、
人にまとわりついて回りくどく話すので騒々しい。

イヤイヤがさらに進み、「やだ」「やーだもーん」「違うよ」
「真似しないでよ」「自分でやる」「行って」「パパがいい」。
何を話しかけても、最初に「ううん」と言ってから受け答えし、
私の言ったかなり長い文を丸ごと全部繰り返して、
最後に「・・・じゃない!」を付けて答える。
反抗的だ。

ただ、娘が元々そこまで激しい性格だとは思えない。
上の子の活発さを過剰に真似しているように見える。
影響を受けやすく、真似が大好きだ。
上の子のようになりたくて仕方がないのだろう。

保育園の行き帰りでは、いつも花を探し、葉っぱを拾う。
手はつなぎたがらない。束縛を嫌う。
手をつなぐと言い聞かせると、
「じぶんであるく。」と言って、地面に座り込む。
お友達がつないでいるのが見えると、真似してつなぐことが出来るが、
たいていは落ち着きなく走り回っている。
ただ、上の子の2才の時よりは、前に歩いて進むことが出来ていて、
すぐ近所の保育園から15分くらいで家に帰ることができる。
上の子の時は1時間かかった。
でもどちらの方が落ち着きがないかといえば、
娘の方。好奇心旺盛だ。

指でVサインが出来る。
「ほら、2、できたよ」
女の子は器用だ。

上の子に世話を焼く。
上の子が牛乳を飲んでいると「こぼれるよ。」とか、
上の子が泣きながら寝かせられて歯みがきをしていると、
「しゅんくん、おすわりがいいって。」と言う。
お風呂上がりのお茶を娘がみんなの分を手に取ったところ、
上の子が「しゅんくんが自分で持っていく!」と泣きそうになると、
さっと娘の方が譲る。よく空気を読んでいる。

自分で着替えることに、少し飽きてきている。
風呂上がりになかなかパジャマを着ないで遊んでいると、
夫が、鬼が来る、と脅すので、
「オニさんこないー。」と泣いた。
そうしたら、上の子が、
「そういう時はギューだよ。」と怒るので、
娘を抱っこしてみると、さっと着ることができた。
上の子も少し成長し、妹を守ろう、という意識が出てきている。

近所の屋内アスレチックを自力で十分に
楽しめるようになってきたことに成長を感じる。
上の子が少し心配そうに終始付き添い、
「りんちゃーん、こっちだよー。」と
しっかりエスコートしてくれて遊んでいる。
上の子と一緒なら、かなり高いところまで登れる。
3才と1才だった危なっかしさに比べると、
4才と2才はずいぶん安心して見ていられる。

上の子の歯みがきをしていたら、娘が私の背中を何度も蹴るので、
危ないと叱ったが、やめないので、
抱きしめて、ちょっと待っててね、と言ったら、やらなくなった。
上の子が可愛がられていると、よくやきもちを妬く。
上の子はやきもちを妬かないので、
一般的なきょうだいとは逆かもしれない。

ある日の寝る前のおしゃべり。
「ママー。おめめチュッ。こっちもチュッ。ほっぺチュッ。
 パパに行く。ママ、また後でね。ちょっと待っててね。
 すぐ戻るから。ちょっと寄ってくるからね。
 ・・・ママー。おめめチュッ。」

赤ちゃんではなくなってきたな、と思う。
明るくて、今は反抗的だけれど、私の気持ちをよく考えてくれている。
細やかに私の様子を伺って、私を元気づけてくれようとしている。
何かと、私の目をじーっと見てはにっこりするのだ。
私が本当に落ち込んでいると思うと、「チュッ」と言う。
私はいつも娘の健気な優しさと愛らしさに感謝している。