:: rainbowdrops ::

透明と虹色の感性

 

息子の好きな色は、透明と、虹色。
0才の頃から、緑色の瓶をゆらゆらしては、
下から覗き込んで眺めていたものだ。
最近はよく手を洗いながら、シャボン玉を眺めて、
「ほら虹色だよ。」と嬉しそうだ。

白いバスタオルが少し古くて、色がくすんでいるのを、
「ママは、ゆき色のタオルね。」といつも取ってくれる。
私も気に入ってその言葉を使っている。

センスの良くない音楽にも敏感だ。
春に子供番組のオープニング曲が変わって、
イマイチだと思ったらしく、「ええっ!」と言って、
プチッとテレビの電源を切っていた。

息子が自分で撮った写真。
サクランボを入れた皿の光を真上から。
そして、大好きな箱根の電車を窓から眺めて。


『おじいちゃん、おばあちゃん』

絵を描くことを好まなかった息子が、最近描いた絵。
敬老の日に、おじいちゃん、おばあちゃんの絵を描いた。
夫の父母だ。
おじいちゃんを丸く、おばあちゃんを四角くデザインし、
仲良く手をつないでいる。遠くには、おじいちゃんの車が断面図で。

それから急に絵を描くことが楽しくなったらしく、
自発的に次々とお絵描きを始めた。
絵本の「ばすくん」を描いた。
息子の絵はたいてい、画用紙の四角を意識している。


『ばすくん』


『虹色のバス』


『台風、ひまわり、モンスター、パトカー』

息子の手は両利きだが、右手でクレヨンを持っている。
私は息子が生まれるまで、両利き、があることを知らなかった。

私が、パパのこと大好き?と聞くと、即座に、
「ママも大好き。」と答えた。そして、
「パパのことも大好き、りんちゃんのことも大好き。
 みーんな大好き。」と言った。
私のために答えた変化球。

息子に、ママは怖い?優しい?と尋ねると、
「かわいい。特にこの顔のほくろが、かわいいの。」と即答。
きっと、私が顔のほくろが嫌だろうことも、見通している。
可愛いの意味、本当に分かってるのかなあと思って聞くと、
「ママは女の子だから、かわいい。」と言う。
息子は、私に好かれるのが上手い。

ある休日、ずいぶん寝るのが遅くなってしまった。
私が、いま何時だと思う?と時計を見るように促すと、
息子は寝転んだまま起き上がりもせずに、
「10じだよ。」と言う。
息子の位置からは、時計は絶対に見えない。
どうやって時間が分かったのかと聞くと、
「あそこから見た。あの天井のところから、あの時計を見た。」
と天井の端っこと床の置き時計を指差した。
何度聞き直しても、
寝ながらにして、天井の視点から、
頭の向こうで横を向いている置き時計を見たと説明するのだ。
息子はときどき変わったことを言う。
4才はまだまだ、向こうの世界とつながっているらしい。

昨日の夜、本当に珍しく息子が夜中に起きて私のところへ来た。
生まれてから今まで、夜泣きどころか、夜中にほとんど
起きたことがなく、隣りで下の子が大泣きしようが、
眠り続ける息子が、起きたのだ。
静かに部屋を出て歩いてきて、
「寝るんじゃなかったの?」
と静かに私を叱って、一緒に寝室に戻ると、
横になった瞬間、深い眠りに落ちていた。
ママと一緒に寝たい、とかじゃないんだ、と思った。
息子は、私が日々睡眠不足で、でもここまでやって寝よう、
なんて疲れれば疲れるほど気になって寝ることが出来なくなる、
そのことまで知っているに違いない。
私はいつも息子に助けられ、包まれている。
もし前世があるのなら、息子は私の母だったかもしれない、
なんて思った夜中の出来事。

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