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続・3才児、妄想の日々

 

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息子はようやく落ち着いてきて、手をつないで歩けるようになった。
お友達に出会ったりすると、キャーッと走り出したりするが、
道路へ飛び出す心配はあまりない。
横断歩道は手をつながないと渡れないと思っている。
元気はあるけども、理性的だ。
買い物やいろんな用事に息子を付き合わせることが
出来るようになってきた。成長を感じる。

どこへ行っても、知らない人とすぐに仲良くなる。
品の良い家を訪問した時は、丁寧に挨拶し、行儀良く遊ぶ。
場の雰囲気をよく読んでいる。

保育園では、そこそこ落ち着いて聞き分けが良いらしいが、
ときどき気持ちが盛り上がって大興奮し、
お友達を押してしまったりするらしい。
理性的だが、刺激的なことが大好きでもある。

保育園へ行く途中、いつもタンポポとツユクサを探す。
ツユクサは、秋になると色が薄くなって、冬には咲かなくなることを発見した。
かなり寒い季節になるまで、毎日タンポポを探し、
「あったよ!かわいいねえ。これはりんちゃんの。」と笑う。
歩道の植え込みに生えている草の葉の形を見て、
「これは、サツマイモ出てくるよ。これはネギ。」
と野菜に見立てている。どこで知ったのか、たしかに葉の形が似ている。
昼間の月をよく見つける。
「お月さま追いかけてくるよ。」と、走ってみたりしている。

保育園で、全員の帽子が掛かっているハンガーを
小柄なお友達が落としてしまったらしく、それを息子が
「ちょっと待ってて。」と上に掛け直していたとか。
先生が褒めていた。

息子と下の子と、近所の観覧車に乗りに行った。
赤ちゃんの世話で、息子にゆっくり向き合ってやれていない
自分への罪滅ぼしだ。
息子は珍しく私の手をしっかりと握って、興奮ぎみに笑って乗りに行き、
観覧車の窓から見える車が、白のプリウスタクシーだとか、
ショベルカーだとか、最初から最後までそんな話をしていた。
息子が喜んでくれると私は本当に嬉しい。
息子も嬉しかったらしく、後々まで、
「かんがんしゃ!あの黄色に乗ったよ。」と何度も繰り返し話していた。

お台場の自由の女神はアイスクリームを持っていると言う。
「んー、パイナップルアイスじゃない?」とのこと。

友人の結婚パーティーの打ち合わせに出かけた。
ベビーカーなしで、下の子は抱っこ紐で、息子と手をつなぎ、
電車を乗り継いで行き、渋谷の人混みを歩いた。
午前中から別件で出かけて、昼寝もなしで、昼と晩を外食してから帰った。
ベビーカーなし、昼寝なし、抱っこもなしで丸一日出かけたのは、
初めてのことだ。
私と同じだけ歩いたが、疲れたとも言わず、
とても機嫌良く行って帰って来られた。
私の友人とすっかり仲良くなり、終始ニコニコと話をしていた。
息子の大きな成長を感じた。
ベビーカーで出かけるということは、大きなハンディキャップ。
使わなくて済むのならば、無いに越したことはない。

伊豆へイチゴ狩りに行った。
夫は車で行こうと言ったが、私が却下。
熱海まで電車で行き、そこからレンタカーに乗った。
案の定、息子は助手席に乗った瞬間から宙を見ていたので、
すぐに私の隣へ移動させ、抱きかかえて座った。
それから、ずっと乗り物酔いで具合が悪いまま、
イチゴ狩りに行き、そばを食べて、温泉に入って、
夜に熱海駅へ戻った。最後の方は、
私に抱きかかえられたまま、眠っていた。

息子は、「ちょっとくるしい。」とぼんやりした顔をしたくらいで、
泣いたり文句を言ったりは全くしなかった。少し休んでは、
「もうだいじょうぶ。」と言ってまた自発的に車に乗り込むのだった。
それでもイチゴは大好きなので、ちゃんと元気にイチゴを摘んで食べていた。
その日に撮った写真は、どれも壊れそうな笑顔だった。
息子のこういうところが、私は大好きでもあり、心配でもある。
もっとわがまま言って甘えた方が、ずっと生き易いのに、と思う。

後日、めったに絵を描かない息子が、
保育園で画用紙に何度も四角い車を描いた。
画用紙の裏には、先生の字で車種が書いてあった。
先生には、車種のことしか話していないらしい。
私には、「この車がくるしいの。」と絵を見せた。

遠くへ引っ越していったSくんが、1年ぶりに会いに来た。
息子は公園でSくんを見つけると、
「Sくん!」と大喜び。だが、Sくんの方は、
この街のことも、息子のことも、覚えていないらしい。
Sくんは、知らない人たちがみんな親しげにしてくることが
怖かったのだろう、怒って逃げたり、乱暴したりしていた。
息子は少しずつ距離を空け、
「ねえ、いっしょに遊ぼう。」と、にこやかに声をかけていた。
たぶんお互いに状況が理解できていないことだろう。

息子の3才後半のまとめ。
本当は随時書きたかったが、どうにも時間の余裕が作れない日々だ。