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3才児、妄想の日々

 

忙しくてなかなか書けず、悔しい。
保育園の連絡ノートから、息子の3才後半の日々をまとめて振り返る。

ある日、「しゅんくんは、ママのこと大好きだの。」
と抱きついてくることが何度もあり、
息子にしては、様子がおかしい。
と思ったら38度台の発熱。
もともとあまり体調を崩さない息子だが、夏の激痩せ以来、
全体に調子がすっきりしない。
「気持ち悪い」と言って変なしゃっくりをする。
慢性的に下痢嘔吐。
食事中、主に嘔吐対応で、お食事エプロンをしている。

ただ、丸顔なので、げっそりとした印象ではない。
手足だけが男の子にしては華奢だ。
朝の支度や送り迎え時も、ぼんやりだらだらとして、エネルギーがない。
以前はエネルギーの塊のようだった息子だが。
体調を崩すと物事へのこだわりがさらに強くなり、
鼻のティッシュは食卓にある黒いボックスのものでないとダメ、
それを取りに行くにはママがこの道順で、と細かく限定する。
少しでも自分の決まり事と違うと、パニックを起こして泣く。

ある朝、「ゲーしないで食べれた。」と笑った。
体調が整ってくると、自発的に苦手な野菜から手を付けるようになった。
長時間噛んで、飲み込めずに出すことが多いが。
好きなのは、米や魚や根菜で、緑のものや肉や
菓子パンなどが苦手だ。甘いお菓子もそれほど好きではない。
下の子は小柄だがよく食べる。
息子がようやく食事に手をつけ始めたかという頃に、
下の子は手づかみで食べ終え、おかわりを要求している。
好みも正反対で、下の子は息子が嫌いな肉野菜や混ざった料理が大好き。

下の子と向かい合って食事をしていると、何だか嫌になるらしく、
「しゅんくんは具合悪いの。もうネンネするの。」
と仮病を使って食べ残す。
私は息子が嘘をついたことを叱らない。
本来なら離乳食を食べているはずの小さな妹が、
自分と同内容で同量の食事をパクパクと食べていたら、
嫌にもなるだろう。追いつめないようにしたいと思っている。
乳幼児の重度の偏食少食は、アレルギーと同様、過敏体質によるもの。

食事が終わるたびに、私に指図する。
「おてて洗う。ママはこっちからぐるっと回って。
 違う!こっち向いて、こーこーかーらっ。
 Go!ぐるーっと回って。ぐるぐるぐるぐる・・・。だっこー!
 ぐるぐるぐるぐる・・・。
 おてては自分で。ママはあっち行ってといて。やめて!みないー!」
テーブルの周りを一周してから、抱っこで手を洗いに行くのだ。
手順の細部にものすごいこだわり。
最初は夫が、指図されて言われる通りにしていたのを、
息子にコントロールされていることに気づいたらしく、
もうやらない、と急に言い出し、息子と喧嘩になっているので、
私もちょっと面白くなって、あえて交代して息子に指図されてみている。

私は1〜2か月に1回くらいの頻度で熱を出す。
私が元気がないと、息子の奇行が始まる。
ドカーン、ドカーン、と家のソファやイスがレイアウト変更され、
ときどきヘラヘラ笑い、大切なフェラーリのラジコンカーのタイヤを外し、
本体も部品がひねってある。そしてまた、「みてー!」と笑う。

つまらなそうな時、下の子もつまらなくて泣いているのを見ると、
「りんちゃーん、うーたんだよ。」
とお歌のビデオで機嫌をとってくれたり、
キッチンで私の足下で調理器具を受け渡して二人でニコニコしている。
気に入らないと、下の子を少し足で押しのけ、
「だって、りんちゃんが」と言うが、仲良くしている。

息子は赤ちゃんの頃から、私と離れて寝る癖がある。
下の子は常に私にべったり密着して寝る。
たぶん羨ましいのだろうが、息子はそれを表現することができないし、
自分の気持ちに気づいてもいない。
下の子が寝付くと、甘えたかった、ということを急に思い出すのか、
最近は急に甘えて私の隣で寝ようとすることもある。

相変わらず時間に正確だ。常に寝付きが良い。
休日はもう昼寝なしの日もあるし、夕方に寝る日もある。
夕方に寝ても、夜はきちんと決まった時間に寝る。

ブロック遊びが大好き。
車が好きで、ずっと車を作っている。
想像力豊かで、左右のバランスや色使いがよく考えられている。
絵を描くのは得意じゃない。私の小さい頃とそっくりな絵を描く。
そう思っていたら、夫が息子の絵を見て、
これは「絵」じゃなくて、画用紙に「デザイン」を施したのだと言う。
息子の絵は、画用紙の四角い形に添って線が描かれていたり、
隅っこに小さなマルが描いてあったりする。筆圧が弱い。
きれいに削ぎ落とされた良いデザインだと夫が言った。
私の絵も、そう思って見てくれる人がいたら、
もっと過ごしやすい幼少期だっただろうと思う。

息子が面白いことを発見したと言う。
「ドライヤーは食べない。どらやきは食べる。」
朝食のトーストをかじると、
「これはAの形じゃない?エイ。アポー。アンナポー。」
と、英語のビデオで見たフレーズを暗唱している。
言葉に興味があるようだ。
映画のビデオを、英語と日本語と交互に見せると、
自分で和訳して嬉しそうに教えてくれる。

おもむろに独り言を言う。
「早くしなさい!早く。早く。早くって言ってるでしょっ!
 ま、いっか。まいいや。ゴメンゴメン。」
私の真似ではない。
私の心の声だ。
絶対にそんな言い方をしないようにしているが、
息子が全部読み取って口に出してくれる。
息子ならではの優しさだと思う。

夜に来客があると、きちんと挨拶し、最後には
「あっ、バイバーイ。ねぇ、ターッチしてー。」と人なつっこい。
来客が終わると、私が疲れただろうと気遣って、
そそくさとコップを運んだりして、黙ってお手伝いをしてくれる。

外ではよく、おとなしくて良い子だと言われる。
家では、しょっちゅうひっくり返って大泣きし、
口数多く、よく変な顔をしてひょうきんで、
外と家ではずいぶん違う。
生まれたての頃からそうだ。
私にとっては、全部好きなところだ。


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