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本当は0才児を保育園に入れたくない

 

待機児童問題で、忘れてはならないのは、
まだ歩きもしない0才の赤ちゃんを、涙をのんで保育園に
申し込んでいる母親が、たくさんいるということ。
入園出来たら一安心ではあるものの、複雑な心境だ。

特に、都会でキャリアを目指していた女性。
生んだ直後までは、早く仕事がしたいわ、なんて言うけれど、
仕事を頑張る女性はたいてい、育児も真面目に頑張る。
先日、地域の座談会に参加したが、そのことで、
ポロポロと泣いている女性がいた。
「今、保育園に申し込んでいるんですが、」と。

おそらく大半の母親は、毎日赤ちゃんと離れて過ごし、
よその人に育ててもらうことを積極的に望んでいるわけではない。
ただ、入園できなければ、会社は退職。
都会で専業主婦で子供を養っていける家庭は多くない。
子育てを終えた主婦が再就職できる保証もない。
それに、兄弟で下の子が入園できず退職となれば、上の子は退園となる。
親の都合とはいえ、子供のためを思っての入園希望だ。

うちの近所の保育園だと、4月の新規募集人数が、
0才が14人、1才が8人、2才が1名、以上。
4月以外の中途入園も基本的に募集がない。
誰か引っ越して退園すれば入れるかも、といったところだ。
だから、ほとんどが育児休暇を全うせずに、
先手を打って0才の4月から保育園に申し込んでくる。
本心は、1才半か2才くらいから入園させたいという家庭が多いような。
しかも、曜日限定で良いと考えている家庭もある。
ムダ保育の悪循環。

我が子を何とか入園させたいと必死の母親。
そこには、雇う側の柔軟性のなさや買い手市場があるように思う。
立場の弱さ。
母親たちは、子供を理由にクビになることが受け入れがたいのではないだろうか。
子供がいるのだからもっと働かなければいけないというのに、
子供がいない人の方が優位に雇われているのでは、という怒り。

幸い、うちは第一子、第二子ともに1才で入園できた。
1才からの入園は、非常に運が良い方。
第二子を0才から申し込めば、より入園が確実だったと思うが、
生後5か月での入園を、2か月の時に決断しなければならない。
育てたかった。授乳して、発育を見守って。

女性の社会進出や自己実現の問題とは少し違う。
うちの近所を見る限り、都会の母親たちはみんな育児に熱心だ。
ストレスもあるだろうが、それ以上に、頑張りたいと思っているし、
我が子を愛している。
多くの母親は「働きたい」のではなく、
「せめて赤ちゃんが歩くまでは育児がしたい」のだ。
この思いを忘れてはならない。