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生後8か月の記録

 

「マーマ、マーマ」と泣きそうな声で私を探して、ものすごい速さで
ずりばいで追いかけてきて、見つけるとにっこり、足下まで来て、
私の洋服の裾をキュッキュッと引っ張って、またにっこり。
しゃがみ込んで話しかけると、
ギューッと私の肩に両手を広げて抱きついてくる。

つかまり立ちも得意になってきた。
自力で立ち上がると、「タッタァ」と甲高い大きな声で言う。
ベビーベッドから下を見て落ちそうだし、寝ている間に
柵にぶつかって仕方がないので、解体することにした。

両手を持ってやると、歩こうとする。
足を必要以上に高く上げて片足立ちになり、
交互に動かしている。やる気満々だ。

うつぶせとお座りを、交互に体勢を変えることが出来る。
お座りは、いかにも女の子らしく、横座りが多い。
上の子がこのくらいの頃は、いつもあぐらをかいていたものだ。

バイバイ、が気に入ったようで、よその人と目が合うと
ニコニコしながら手を振る。帰宅してからまた、
ほら上手に出来るよ、と言わんばかりに手を振ってみせる。

パチパチ、も得意気だ。近所の児童館で歌を歌いながら
手を叩くと、帰宅後に、見て見て、という顔をして、
手をパチパチと叩いてみせる。

眠くなると抱っこを求める。
「ネンネ、ネンネ」と、とてもよく言う。
外出先で眠くなった時に抱っこ紐を見せると、
カーッと笑って両足をぴょこぴょこさせて大喜びする。
よく甘える。

私のあごを手で左右に動かそうとして、私がわざと大袈裟に
言いなりになって顔を振ってやると、そのたびにギャッと笑う。
握る力が強く、よく爪を立てて私のことを引っ掻いてくる。

母乳はあまり真剣に飲まないことが多い。
途中で立ち上がって、のけぞって笑うことがときどきある。
少しで満足してしまい、「ダァー」と言って笑うのだ。
離乳食はさらによく食べるようになってきた。
よく噛んで、と言うと、大袈裟にモグモグしてみせてくれる。従順だ。
よく動き回るし内臓が弱いので太らず、
身長が伸びた分だけ痩せてきた。
体調を崩すことも相変わらず多い。

上の子が面倒を見てくれるのか、とか、
二人で遊んでいてくれるのか、などとよく聞かれるが、
なかなか3才の男の子が赤ちゃんの面倒を見たりはしない。
二人が一緒にいる時がいちばん目が離せない。
上の子がギャンギャン大声で泣いていても、
娘がその隣ですやすや寝ていたりするのは、たくましいと思う。

月齢の近いお子さんのお母さんたちとランチをしたりするようになった。
集団で空席の多い店に入り、少し長居をする。
他人からは、暇だと思われているんだろうなと思う。
この育児という過酷な仕事には、外に出ることと、情報交換と、
女性同士の助け合いが不可欠。都会のお母さんたちは、
どんなにボロボロでも、いつも強気に笑っている。

私は風邪で高熱を出した。
それでも普段通りに過ごすしかない。育児に休みはない。
あまりの過労でウツ状態になってきた。
仕事を限りなくゼロにしようと、また少し考え直した。
それでも育児は本当に面白くてたまらない。
今まで好きだった何もかもが色褪せてしまって興味が持てず、
育児以外のこともしなければならないことに強い苛立ちを感じる。
24時間すべてを子供のために、家族のために使いたい。
今しかやれないことを全部やりたいと、欲張りになっている。