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新生児の記録

 

自分の感じるままを信じようと思った。
自分が思い込みだと思っていたことが、
次々と真実として裏付けられていくのだ。
生まれるずっと前から感じていた我が子の人となり。
どんなことに喜び、どんなことにつまづきながら人生を
生きていくのか、そんなことが、母である私にはよく見える。

娘が生まれたとき、また思っていたとおりの子だと思った。
生まれた瞬間から穏やかな優しい顔をしていた。
生まれる前に、きっと似合うと思って見つけた
グレーやラベンダーのパステル調の洋服が、本当に当たりだった。

手足のパタつき具合に見覚えがある。
おなかの中で動いていた、そのままだ。
いつも右を向く癖がある。
首がねじれそうな、不自然なくらい右を向く。
何とか左も向かせようとしても、首が強く、直らない。
ずいぶん首が据わっているように見える。

よく笑い、よく泣き、よく寝る。
その点では上の子と全くそっくりだ。

よく笑う。
生まれた初日から、おなかがいっぱいになると、
恍惚とした表情でニーッと笑う。
泣いた通りに飲ませていると、飲み過ぎる。
いつも快楽を求めている。それは生まれる前から知っている。
私が食事をとると必ず、おなかの中でぴょこぴょこと嬉しそうに
動いたものだ。そして私も嬉しい気持ちになってくる。
それは娘が喜んでいるということだ。血液を共有しているのだから。

よく泣く。
さすが、よく泣く息子の妹だ。
泣き方がそっくりで懐かしく、笑えてくる。
ギャア、ギャア、ギャア、ギャア、と大声で泣き始め、
ぴたりと声が止み、深く深呼吸をしたかと思うと、
ギィヤァァァァァーーーーーッ、ギィヤァァァァァーーーーーッ、
と絶叫に変わる。ずいぶん息が長い。
手足の指を全部広げて、全身を震わせている。悲しい様子は全く無い。
息子の時も、面白くて思わず笑ったものだ。泣いていて心配に
なるというよりも、そんな大げさな、と言いたくなる感じだ。
「泣く」ではなく、「鳴く」が合っているかもしれない。

よく寝る。
退院のその日から、きっちり正確に夜寝て朝起きる習性だ。
夜は絶対に泣かない。夜の授乳間隔は5〜6時間空き、
2回くらい授乳するが、半分寝たまま飲み、すぐにまた寝る。
人間は体感で一日25時間だという通説があるが、
全くそんな感じには見受けられず、毎日ずれることなく同じ時間に寝て起きる。
こんなに最初から夜に寝る子は、赤ちゃんの進化系だとか。
そう友人に言われた。私はむしろ、原始系だと思っている。

生活習慣は息子とそっくりだが、性格はずいぶん違う。
抱っこが大好き。頭をなでられたり包まれたりするのが好き。
泣いていても、抱っこすると何となく気分が紛れて泣き止む。
息子だったら、絶対に紛れない。しつこく泣く。抱っこは好きでない。
足の力は息子に比べたら弱く、暴れてもオムツ替えが可能だ。
扱いやすい。でも、飲む力も弱く、飲み方が控えめだ。

授乳は、あまり一度に飲めないので、1時間おきでも、飲めそうなら飲ませる。
夜になると、飲むのがさらに面倒になるらしく、
哺乳瓶でないと飲まないことも多く、搾乳に手間がかかる。
飲むとすぐに口からあふれる。
ゲップを出そうと本人が気にし過ぎて、いつもキューキューと高い声を出している。
脂漏性湿疹が出て、顔が少しぷつぷつと赤くなってざらついている。

生後22日、お披露目のホームパーティー。
大音量の音楽の中、17時からずっと寝ていて、
21時頃に一瞬起きてみなさんにご挨拶したが、また寝て、
この騒音の中あまりによく寝るのでびっくりされた。

1か月健診前は、まだなるべく外に出さないようにしているので、
息子の保育園の送り迎えの間は、夫と家で待っていてもらうが、
夫が家にいない時は、近所なので一緒に連れて行く。
抱っこひもに乗せると必ず寝る。途中、外にいることに気付いても、
刺激から目をそむけるように目を閉じ、ずっと眠っているように見える。

娘は1か月で3.2kg→4.2kg、52cm→55cmになった。
これだと、体重はやや多め、身長は高めで、どちらかというと
痩せている方、ということになる。平均的な発育だ。
人に会うと小さくてびっくりされるが、これでも
毎日抱っこしていると一日一日大きくなるのを感じるものだ。
だから、道端ですごく小さな赤ちゃんを見かけたら、
うわぁ小さいですね、ではなく、大きくなったんですね、
と声をかけると良い。その方が母親としては嬉しいだろう。
私が娘を、小さいなあ、と思ったのは、生まれた初日だけだ。

生まれてから1か月までの記録。