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母親学級・両親学級にもの申す:妊娠編

 

妊婦体験ジャケット。
重さ7〜10kgのジャケットを父親になる男性に着せるらしいが、
これくらい俺なら大丈夫、とジャンプしてみせる人もいるらしい。
正直多くの男性は内心そういう印象なのではないだろうか。

私だって、現在妊娠9か月だが、歩いていて重いなあとは思わない。
普段1か月に1kgずつ太ってもそれほど重いとは思わないのと同じだ。
日によっては、走れるしジャンプできる。毎回電車で座りたいわけではない。
ただ、体調によってそうでない日の方が多い。
そんなことをいったら、メタボの方に電車で席を譲らなきゃならない。
私より、よっぽど重くてしんどいだろう。

胎児と羊水等をあわせると、5〜6kg程度。あとは体脂肪。
血行が悪くなりやすく、むくみやすく、極度に疲れやすい。
つわりの期間を過ぎても、強烈な内蔵の圧迫感と常に鈍い痛みがあり、
胃がムカムカして気分が悪くなり、さっさと歩けない日が多い。
歩いていると、一歩一歩、胎児の体のどこかが内部で当たり、
針で刺すような痛みを感じることもある。
夏は強烈に暑く、五分外へ出ただけでも汗でずぶ濡れになる。
妊娠後期は、肺や心臓も圧迫されて、呼吸が苦しい。
何よりも大きいのはホルモンバランスの変化で、
夜も細切れにしか眠れなくなり、疲労がたまっていく。
もちろん個人差は大きいし、妊娠のその都度でも違う。

重さを体感させることは、男性に誤解を生ませる。
妊娠はそんなものではない。
妊娠は、荷物を背負う感覚とは全く違うのだ。
それに、男性にとっての妊婦体験ジャケットの重さは、
女性なら5kgのリュックを前に背負った程度だろう。

あとは、夫婦で行う奥さんのリラクゼーションマッサージ。
最近は「お産の補助動作」という名目に変わったようなので、
若干内容が良くなっていることを望むが、
全体として、妊娠、出産のつらさを、分からず屋の旦那さんが
理解するための講座。
夫婦の対立関係を前提としているようでもあり、
育児とはどんなものか、母になる、父になるとはどういうことか、
を考えるための講座とは言いがたい。