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エスケープ

 

彼らが私に興味を持ってくれないのは、
私が彼らに興味を持っていないからだ。
自分が出せない時の打開に対する考え。

夫の実家に二週間。長かった。
とても楽しくゆるりとした温かい家庭なのだが、
自分は常に脇役で、長男の嫁を演じ続けていた。
嫁とは、夫に従属するもの。そう思っていた。
エスケープしに行ったつもりが、今回は何となく疲れた。

仕事もあったのだが、ほとんどあきらめて、
息子を見張っていなければならなかった。
家中どこにでも行ってしまうし、
親戚の子と喧嘩にもなるので、少しも目が離せないのだ。
家事の手伝いと育児のみの生活。

私は自分を過信しすぎているのだろうか。
自分の持っているものがあると思う。
そのことに少し憂鬱になっていた。
演じるということは、自分を消す作業だ。
なりたい自分を演じるのならば良いが、それとも違う。
嫁としては、なるべく弱みのたくさんある常識的な明るい人を演じていた。

そうしようと思ったのではない。
自然にそうなってしまっていた。
今回、今までより長くその環境の中にいて、そのことに気づいた。
これからは、もう少しこの家族一人ひとりのことを話題にしようと思った。
人に興味を持つというのは大切なことだ。

東京のビル群を見るとほっとする。
世界の中心にいる。
ここにいると、自分が埋もれない気がする。
だから頑張れる。
今年は飛躍の年にしたいと心から思う。