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恋するように

 

強く心が動くことが、少なくなってきたように思う。
1才で母乳育児を終え、産後のホルモンバランスも戻ってきて、
息子も時間どおりに授乳を要求することもなくなり、
私も朝に息子と同時に飛び起きることもなくなり、
ひととおり赤ちゃんを卒業したように思う。

息子は、ひとり歩きをはじめ、どんどんハイハイが少なくなって、
もうほとんどハイハイをしなくなった。
自立への第一歩だ。
慎重に、転んで失敗しないように気をつけている様子。
ちょっと前まで、地面の固いところでは立ちもしなかった。
柔らかいところでは一歩一歩ゆっくりと確かめながら一、二、三と歩いてしゃがむ、
そんなことを繰り返していたが、ここのところ急に積極的に歩き始めた。
ベビーカーなしで外まで行くには、まだもう少し。

おしゃべりは、20語を越え、
体の名前や、食べ物の名前や、動物の名前、など、
発音を少し間違えながらも、指をさして言うようになった。
でも、言葉に理解を示すのは、興味のあるものに限られ、
興味のないものには見向きもしない。

散髪も、2回目のバッサリ。私がハサミでちょきちょきと。
あと1回くらい慣れると、動かれても完璧に切れるかなと思う。
今回は大暴れだったので、若干、後ろ髪の左右が違ったりする。

毎日四つん這いのまま熟睡し、
寝返りするたび頭とお尻の向きが入れ替わる。

そんな息子は1才3か月。

息子に恋をしていた。思うだけで涙が出るほどに、
恋しくて、恋しくて、いつも息子のことばかり考えていた。
母の本能なのだろう。
そんな気持ちも今はだいぶ落ち着いた。
最近、仕事でたまに一時保育に預けると、今までになくさっぱりした気分で、
少々離れて過ごすのも悪くないと思えるようになった。

この1年3か月を振り返ると、あそこにも行った、あんなこともあった、
と、異様なほどキラキラする思い出ばかり。
苦労したことやネガティブなことは、あまり思い出せない。
産後マジックだ。
生まれたばかりは、この子をいくらでも可愛がって良いのだ、
ということがとても嬉しくて、何度も何度も抱きしめた。

そんな病的なほどに心が敏感な状態になる産後。
思っていることをもっともっと形にしたいと思って、
でもその前にやるべきことがたくさんあって、
悔しい思いをした。

多感だったあの頃のすべてが、輝く思い出に。
一年前は小さな息子がベビーベッドの中に寝ていたことが、
何だかものすごく遠く、不思議な気分で思い出される。