サンタが来る
息子は今日もいつもの時間が来ると、ころっと一瞬で寝た。
きっとサンタが来ると思う。
小さい頃、サンタはいると思っていた。
そのことを、姉にわざわざネタばらしされて、
ひどくバカにされて、何年もの間、毎日のように笑われた。
雪の国から来るだとか、煙突から入ってくるだとか、
ウチは煙突がないからどうだとか、長年姉の作り話を黙って聞いてあげて
心の中でバカにしていたのは、私の方だったかもしれない。
その時そう思った。
理屈に合わないことはどうでもよかった。
ただ、誰かが私を愛してくれていて、
枕元のプレゼントは、その形なのだと、そう信じていた。
それが誰か、なんて、どうでもよかった。
誰が持ってきたのかな、と少し思ったけど、
そのことはあまり気になっていなかった。
間違っていなかったと思う。
だから私は今でも、サンタを信じている。
きっと誰かが私を愛してくれていると。
息子にはちゃんとサンタが来ると思う。
今日も、今までにたくさんの方に戴いた、
たくさんのおもちゃに囲まれて、
その形に囲まれて、眠っている。
身の回りにごちゃごちゃ物を置くのは特に好きではないが、
寝る時いつも、すべてを周りに並べている。