不審者って何だ?
7才の娘が、出先のゲームコーナーで、データカードダス『アイカツ!』をやっていた。アイドル系アニメのゲームだ。
気付けば娘は、二十歳くらいに見える男性と笑い合って、仲良くゲームしている。いわゆるアキバ系の、ノリの良い個性的な、国籍さえも謎の青年だ。彼は、『アイカツ!』のカードを多数手にしていて、娘とカード交換をした。
娘の、警戒心と好奇心の入り混じった表情。
私は、いいな、と思った。
後日、またゲームコーナーで、その風変わりなお兄さんを見かけた。今度は、派手なコスプレの、小柄で華奢で背中の曲がった若い男性も一緒。お兄さん二人とも、常時ニコニコしている。
娘を側で見ていると、自分の意思で判断できているなと思う。一緒に遊ぶには面白いが、他人だから、距離は置く。お兄さんの言う通りにはしない。お兄さんを否定しない。素敵なカードは欲しい。冷静で余裕ある対応だと思った。
何が安全で、何が危険か。
挙動不審で純真な若者たち。うちの娘じゃなくて他のお子さんだったら、防犯ブザーを鳴らされたかもね。この若者たちが何者なのかは知らないけれど、仮に、上品な家庭で生まれ育って、体も丈夫だったら、ゲームコーナーでお会い出来なかったかもね。
子供が身を守るために必要なのは、人を疑うことよりも、人を信じられることだ。そして、世の中にはいろんな人がいることに目を向け関心を持つことだ。
いちばん大切なのは、自分を大切にする気持ち。