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子育て支援に必要なのは、主体、緊急、一律

 

ひとり親になって二年以上経ってようやく、ひとり親の医療証がもらえた。医療費が大幅に軽減される医療証だ。同時に水道料金も減免される。ありがたいことだけどね。二年。非常に残念な思いだ。

区役所の、事情に詳しい方が説明して下さった。公の負担になるので、なるべくなら遠慮してもらいたいんですよね、と。

二年前、引っ越し後の体調不良で、日常生活支援を申し込んだ。区役所でやっている、いわゆる公のヘルパーさん。審査に2か月かかり、安価で3か月間、平日9〜17時の間で、予約した日時に支援が受けられる。一時間の面談を三回ほど受け、家系図から生い立ち、職歴や既往症など説明。申請書類は、十枚か二十枚以上あるのか、分厚くて気が遠くなるような細かい内容。シッターさんじゃないので、子供が在宅だと利用できない、とのこと。

区役所ではなく、市役所でやっている、ひとり親支援。こちらの日常生活支援は、申請に1か月かかり、安価で3か月または6か月の支援。前に住んでいた他県の区役所から書類をもらって、申し込んだところ、役所からは許可証が届いたが、事業者への登録の段階で、健康が条件である上に、利用が殺到していて、半年から一年の待機とのことだった。

支援の具体的内容を、念のため確認すると、平日9〜18時の範囲内で2時間、園のお迎え等をします、とのこと。16時より前にお迎えして面倒を見てくれるらしい。そんな余裕のある時間に、どんなひとり親が利用するのかと聞くと、主に習い事が多い家庭が利用しているとの返答。

全体的に矛盾を感じる。その場しのぎのような印象でもある。

そのことを医者に伝えると、緊急保護が必要と役所に伝えて、と言われた。区役所に伝えた。そういった複合的な事情のある家庭を支援する制度が無いのですよね、と担当の新人保健師さん。配偶者もいない、親もいない、子供に障害、本人が体調不良、知り合いのいない街へ引っ越し後。保育士さんや家事ヘルパーさんなどの、個別の専門分野を持った方が対応できないそうだ。

あと毎度聞かれるのが、子供を殴ったかどうか。殴ったと言えば、せめて子供でだけでも保護されるのか、と毎度思うけど、嘘でも言えないや。でも、殴った方が、子供は助かる可能性がある。

人はこうやって都会の真ん中で飢えたり、虐待死したりするんだなと、身をもって体験した。

ファミリーサポート、というビルが駅前にあるので、何度か行ってみたが、閉まっていた。その後調べて、月に一回のガイダンスに参加し、個人情報書類を提出して、会員証を得た。やはり、サポーターは一般人なので、特別事情では利用できなかった。

子育て支援に必要なのは、「主体」「緊急」「一律」。

支援側に主体性があるもの、緊急時に対応できるもの、条件に合致する家庭がもれなく利用できるもの、でないと意味がない。条件とは、もれなくすべての子供が健全な生活を送れることを条件としたものでなければならない。未然に防ぐことも大事だ。すべての子供が健全に生活しているかどうか、もれなく見守り、社会全体で育てる制度が必要。本当に困っている人なら、問題に的確に気づき、適切に助けを求めるはず、という、困った経験のない人々の思い込みを覆していかないといけない。

子供の命が親の自己責任では、全国の子供の命は救えないと思う。