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小二の時の友達に感謝、教えてくれた「段取り」

 

私の小学二年生の思い出。

私が給食を早く食べられるように、応援してくれた子がいる。

二年生から転校してきたNくん。おすもうさんっぽい。色白でふっくらして背が高く、おおらかで誰とでも仲良くしていた。

「僕とそっくり同じように真似して食べてごらん。Uチャンもこないだ、僕の真似したら、すごい早くなったんだよ。」と成功談。Uチャンは、声が高くて泣き虫で、ゴボウみたいな男の子。みんなから可愛がられている。

その日の給食は、牛乳、サンドパン、メンチカツ、キャベツの千切り、スープ。スープの内容は、記憶にないので、ポタージュとかそういう系だろう。ちなみに、よくある給食のスープといえば、白菜ともやしと豚肉と細切り人参の、鶏ガラ出汁でごちゃっとしたもの。まさに給食室の匂い。

Nくんは、三角パックの牛乳にストローを差して一口飲むと、サンドパンを軽く開いてみてから、先割れスプーンを持って、銀色の食器の上でカツンと、メンチカツをパンと同じ大きさに少し切り落とした。そのまま挟むとメンチカツがはみ出す。意外に細かいんだな。切り落とした方のメンチカツを食べると、パンにメンチカツを挟み、隙間にキャベツの千切りを押し込んだ。ソースをかけた。それから、パンとスープと、かわるがわる食べる。

そうか。コツがわかった。あまりに飲み込むのも早いので、だんだんと遅れをとるものの、今までの自分の食べ方との違いが分かったんだ。モグモグ中に、手を止めず、口に入れたらすかさず次を口の前まで用意する。

いただきますから、ごちそうさままで、20分。今まで時間内に、半分も間に合わなかったのが、おかげでその日から、半分以上食べられるようになった。私は、好き嫌いなく何でも食べるし、クラスでは劇の主役とかいろいろ任されるものの、給食のスピードだけが苦手だった。

常に次の一手に目を向けること。

このことが、給食だけでなく、大きな学びとなった。その後の人生ずっと。Nくんがその後どうしているか知らないけれど、私はすごく感謝している。本人は忘れたんだろうけどね。


追記:同窓会で、なんと40年近くぶりにご本人に再会。会えるものだね。40年ぶりにお礼が言えた。やっぱり忘れていたようだけど。