:: rainbowdrops ::

子供は外で育ててもらうもの

 

娘の劇の発表を観に行った。保育園の年中組、18人のお友達。

終始、完璧行動の娘に、圧倒された。

劇の重要なセリフもぬかりなく、一番大きな声できちんとした滑舌、きりりとした表情で、完璧なタイミングで誰よりも早い行動、お友達の衣装をささっと裏から直す、素早くテキパキと大道具を下げる、全員が出来ているか見守る。劇の後の合奏でも、始まりの挨拶と、一番目立つ楽器を担当。

事前から、担任の先生の話で、大きな期待を背負っているようだとは思っていたが。

いるんだよね、こういう子。

と上の子の時は思っていたけど、それが今年、うちの娘。劇にうまく加われない男の子の隣で上手にリードし、隣の男の子も楽しそうに出演できた。

きょうだいって、同じように育てても、こんなにも違うもので。今まで上の子がさんざん周りに世話になっていたことが、逆の立場から見ると微笑ましく思えて、ほっとした。

娘は、出来ない子への対応が柔らかいなと思った。出来ないことが、劣っていることだとは、思っていないようだ。女の子の方がしっかりしているとも思っていない。

家に帰れば、娘は家の中で一番年下で、出来ないことばかりで、上の子がしっかりリードしてくれている。外へ出れば、上の子は先生に世話を焼かれたりする。かと思えば、得意のゲーム攻略法をお友達に丁寧に教える。

娘は、先生の期待に真面目に応えようとする。一方で、上の子は、母親第一で、よその人の期待には応えない。それぞれの場面で、人にもいろんな面があり、人は助け合う。そういう人間の全体像が、娘にもよく理解出来てきたようだ。

娘は家では、泣いて甘えて、かんしゃく起こして叫んで、ママやってーと言い、散らかして片付けず、こぼして食い散らかし、朝ちっとも支度をせず、どうにも育てにくい子だと思っていた。その娘を、若い保育士の担任が、上手に能力を見つけて引き出して下さっている。

正直、よそのママさんから受けの良くない先生だ。子供との関わり方に不自然があるらしい。私は、先生に対しては自分と似たものを感じていて、言われてみればたしかに、もしかしたら健全な家庭で育っていない方なのかもしれないと思う。でも、たくさんご自分で考え、試行錯誤し、不器用なりに子供との信頼関係を築こうとしている。私個人的にはすごく応援している。

ここ1か月ほど、娘からさんざん、劇の元になる『めっきらもっきらどおんどん』という絵本を暗唱して聞かせられたので、知らない絵本だが、よく知っている。全員分のセリフも事前に聞かされて、劇の内容もだいたい知っていた。子供の劇なので、話がよく分からなかった、オチがない、と周囲では聞かれたが、私はこの話の結末にちょっと涙した。

私の知らない間に、ずいぶん保育園で育てていただいているんだな。