:: rainbowdrops ::

一年前を思い起こさせる嫌な地震だった。
そうしたら、寝かけていた息子が私の目をじーっと見て、静かに笑った。
私が怖い顔をしていると、そうやっていつも私を笑顔にしようとするのだ。
地震は怖いんだよ、とそんな話を聞かせた。

息子が何もない天井を指差して言った。
「大きなふうせん飛んできたの。」
はっとしてもう一度聞き直すと、
「大きなちきゅう飛んできたの。」と言う。
私が、どこに、と天井を見上げるとまた、
「いまね、じしんトゥルントゥルン、トゥルントゥルン、ってなって、
ここ大きなちきゅう飛んできたの。」とニコニコしながら言う。

私は、そうだね、そうだね、と何度も言って笑った。
とても驚いて、ただ、嬉しくてたまらなかった。

子供には、大きな地球が見えているのかな。
私には、足下の小さな地面しか見えないや。