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乗車時にベビーカーはたためない

 

電車に乗る時、ほとんどのベビーカーはたためない。

私も子供が生まれるまでは、電車やバスではベビーカーをたたむのが
当然のマナーだと思っていた。
しかし実際に買ってみて分かったのは、
ほとんどのベビーカーはたたんで持ち運ぶ仕様ではないということ。
それは、一人の女性が赤ちゃんと一緒に荷物とベビーカーを
持ち運ぶこと自体が不可能に近いだからだ。

たためる場合もある。
それは、複数の大人が一人の赤ちゃんを連れている場合。
片方が抱っこして、片方がたたんで担ぎ、荷物も持つ。

赤ちゃんをベンチに置く、というのは絶対に行ってはならない。
赤ちゃんはよく動くので、転落の危険性があるし、
歩ける赤ちゃんなら、手を離せばホームから落ちる危険性がある。
活発に歩くからこそ、電車に乗るときはベビーカーが安全。

赤ちゃんは寝ていることも多い。
寝ているところを抱き上げて起こしてしまっては、
火がついたように泣いて、乗車するどころではなくなったりする。
赤ちゃんは、歩けるようになっても、たくさん昼寝をする。
ベビーカーの一番の役割は、寝かしつけ。

ごく一部に、女性が片手で即座にたたんで担げる、機能的で軽量のタイプの
ものも売っていて、最初買うときは当然それが良いかと思ったのだが、
結局、安全性、走行性、操作性のバランスのほどほどにとれた
一般的なものを買った。
たいていは、重量のあるものほど安全性や走行性に優れている。

生まれたてから使える一般的なベビーカー本体の重量は、7〜10kgほど。
歩けない赤ちゃんの体重が5〜12kgほど。
女性が一人で抱えるだけでも困難だ。そのうえ、
たいていは赤ちゃんの大きな荷物、買い物袋などを持っているので、
無理が生じる。産後はホルモンバランスの影響で関節に疾患のある人も多い。

私がベビーカーを買って最初に出かけた時、
エスカレーターしかない場所で、ベビーカーでそのまま乗ってはいけない、
と思い、生まれたての息子5kgほどを降ろして片腕にかかえ、
片手でベビーカーを持ったのだが、エレベーターは思ったより長く、
その間大暴れされ、腕力がもたず、一番下の段で息子を落としてしまった。
もっと上の段で落としていたらとか、後ろから人が来ていたらとか思うと、
ぞっとする。初めてのことで分からなかった。
活発な赤ちゃんを抱えることの大変さが想像しにくい人は、
大暴れする中型犬だと思ったら少し分かるだろう。

ベビーカーを持ってみて分かったのは、
赤ちゃんを連れて歩くというのは大きなハンディキャップであり、
常にバリアフリーを必要としているということ。そして、
周囲の方々がとてもよくエレベーター等を譲ってくださること。
自分は以前こんなによく周囲の方のハンディキャップに
気づくことが出来ていただろうかと、本当に有り難く思う。

ちなみに、私のベビーカーをたたむとすると、ある程度広さのある場所で、
両手片足を使ってたたみ、たたんで縦にすると人の肩に前輪が当たるので、
カバーもかけなければならない。自立はしない。抱えるには両腕が必要。
片腕で持ち上げて歩くことは困難。
要するに、たたむことは出来るが、持ち運び用ではなく収納用。
子供や荷物を降ろすことを考えると、かえって場所取るとも言える。
本体7kgなので、息子の体重と荷物の重さを加えると、25〜30kgほど。
よくある海外ブランドの日本向け商品で、いわゆる一般的なベビーカー。

バスに乗っている最中に、混雑してきたのでベビーカーをたたむように
アナウンスが入った。混雑しているのでたためなかった。
混雑の可能性は、乗ったことのないバスなので分からなかった。
たたまないと乗れませんが乗車しますか、というアナウンスだったら
まだ親切だったと思う。
車内に堂々と、2台目のベビーカーはたたんでいただくことがあります、と貼り紙。

ベビーカーをたたむのは、簡単なことではない。

なお、小さい赤ちゃん用ではない、
幼児向けの簡易ベビーカーだったら、持ち運べるものが多数ある。
荷物は積めないから、オムツやミルクを卒業してから。
ベビーカーは、バギー、ストローラーとも呼ばれる。


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