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iPhoneがお気に入り

 

他人のブックマークほど面白いものはない。
先日、iPhoneのYouTubeのブックマークにいつの間にか
すごく大量の動画が登録されていることに気づいた夫が、
笑いながら私に見せてきた。
そこに広がる息子の世界。
息子の好きな映像が、しかもかなり厳選されたお宝な内容で、
整然と登録されていて、あまりに几帳面で完璧で、
唖然とした。

ずいぶん前に一度、夫がブックマークにいくつか入っているのに気づいて、
間違いかと思い、初期化したことがあるらしい。
息子は猛烈に怒ったそうだ。

息子は、もう半年前くらいから夫のiPhoneにはまっている。
アップル社のものは特に直感的に出来ているので、
何も教えなくても勝手に理解して使用している。

それにしても子供の電子機器の扱いには本当に驚かされる。
まっさらな頭で、大人よりもたやすく、使い方を発見し、
習得してしまうのだ。操作も速くスムーズだ。

いつも朝起きると一番に、電話のことを「ベンモ」と言いながら、
iPhoneを手に取り、「・・・ナナ、ハチ、キュウ、ジュウ」とか
言いながらパスコードを押す。早く取り上げないと
デタラメな数字を入力してしまって使えなくなるので、
夫がパスコードを入れてロック解除する。

そこから、たくさん並ぶボタンの一つを押すと、
また次のボタンのリストが開いて、その中に「YouTube」というのがある。
「検索」を押して検索画面を開く。
「ここ、電車」などと息子が指差すと、夫は言われた通りの単語を入力する。
スクロールして、サムネイルの良い感じの動画をクリックする。
見終わると、それに関連した動画のリストがまた並ぶ。
特に気に入ったものはブックマークに登録するボタンを押す。
ブックマークがたまったら、後からゆっくりとお宝映像を楽しむのだ。
よくブックマークの存在に気づいたものだと思う。

YouTubeに飽きると、閉じて別のボタンを押して
いろいろなアプリを開いてやっていたりする。
ゲームや楽器や、子供向けの乗り物や動物のアプリもある。
メニューボタンの配列までがらりと変えてある。
夫が、俺のだぞ、と言う。

使用中に電話が鳴ると、黙って即座に赤い方の「拒否」を押して切る。
間違って応答してしまったりすることはない。
緊急地震速報が鳴っても、まるでもぐらたたきのように反射的に切る。
何度でも切って、何食わぬ顔で自分の興味を追い続ける。
もちろん、操作など何も教えていない。

一切向きを変えずに見ているところも子供らしい。
画面が縦になったり横になったり、ころころ表示が変わるので、
大人なら回しながら見るところだが、横は横のまま見ている。
何をするにも指が小さいので、細やかで良いなあとも思う。
大人だと、画面に指が命中しないことがある。

ブックマークに登録されていたのは、
新幹線、電車、バス、猫、赤ちゃん、ミッキーマウス、アンパンマン、
ワンワン&うーたん、とまとちゃん、ノンタン、童謡、
しまじろうのトイレトレーニング、など様々。

一番多いのはプラレールだろうか。
レールの上を電車が走るおもちゃで、凝ったものは本当に凄い。
新幹線の映像でも、先端からネコミミが出て変形するところや、
連結する瞬間など、大人でも、へぇーと思うような貴重な映像が
盛りだくさんだ。

真っ赤なトマトの絵のサムネイルの動画があり、
これはサムネイルだけが気に入ったんだろうな、と思う。

カップ麺を作って食べる男性の動画も登録されていて、
これはオチとしては、そのカップ麺にミニ新幹線などのおまけが付いてくる
というシリーズものらしいが、おまけの紹介がなく、
単に麺をすすって終わるものを何度も見ている。
たぶん新幹線のおまけの映像を検索しているうちに、
ラーメンが気に入ったのだろう。

何を思って登録したのかが、だいたい全部分かるので、
人の脳内を覗くむずがゆさというか、なんだかにやけてしまう。

今朝はYouTubeで崖の上のポニョを見ていた。
たぶん入力してもらって検索したのだろう。
目が悪くなるし見過ぎると心配なので途中で取り上げると、
まだまだ赤ちゃんの声で泣く。


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