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人間が母国語を習得する過程

 

生まれたばかりの息子に、いつも単語で話しかけた。
どこまで理解しているか気になりながら。

生後1か月になった頃から、ウーウー、アーアー、
と声を発するようになったが、一番最初のおしゃべりは、
私の話しかけに一語一語返事をするという丁寧なものだった。
たぶん6か月くらいまでは抑揚とリズムに関心を持っていたと思う。
その点に特化しているので、逆にとても日本語らしい
上手なおしゃべりをする。

相手が理解していないことをダラダラと話すのは独り言であって
コミュニケーションではない。
だから、息子が分かるはずのないことは話しかけなかった。
単語で、しかも毎日同じことを言っていれば分かるかもしれないと思って、
同じことばかり話しかけた。お風呂で体の名前とか。

6か月になると突然、ンマンマンマ、パーパーパー、と言うようになったので、
いちいち返事をしたら、比較的すぐに私にンマンマンマ、パパにパーパーパー、
と言うようになった。この時期から、発音と意味が一致しはじめたようだ。
でもその意味は、おなかが空いたか、遊びたいか、という大まかなものだった。

赤ちゃんは言葉を主にコミュニケーションから学ぶ。
気に入った発音はよく言うけども、大人が返事をして
意味付けをしてやらないと、単語としては理解しにくい。
だから、テレビをたくさん見せても話せるようにはならない。

9か月頃にいちばん「タ」や「ダ」の言葉が多く出た。
しょっちゅう意味もなく、ダッ、と言う。
多くの赤ちゃんが、タッタッタッタッターッタァ、などと言うようだが、
同じように息子もよく言った。これも、「立ったぁ」と一緒に言ってやると、
立った時にしか言わなくなった。
便が出た時には、デタ、と言うようになった。
私がいつも、出た?と話しかけるからだ。

0才の子供のおしゃべりはたぶん世界共通だと思う。
外国語にでもあるような言葉をよく話す。
1才前後から急に、日本語にしかない言葉を話し出した。

1才になると、アッチー、コレー、とよく指をさすようになった。
よく、赤ちゃんは単語の頭文字だけを言うというのを聞くが、息子はそれはなかった。
リズムの方が気になるらしく、字数と抑揚はあっているけど
発音の間違った言葉をよく話した。バナナのことをバババ、など。
よく日本語を話すようになったので、私は積極的に二語文で話しかけた。
単語二つだけの短い文。

1才6か月頃から、急にものの名前が細かく言えるようになった。
その頃から、普通に文章で話しかけて、どこまで理解したか分からないけれど、
何となく良い反応が感じられるようになった。

息子の成長の記録。