夜明けの海を散歩してみたい
夜明けの海が綺麗だ。
明け方の海を散歩してみたいと、
引っ越して以来ずっと思っていたけれど、
まだ行かずにいた。
今、そんなに早朝ではなかったけれど、ちょっと一人で出てみた。
ずいぶん空気が冷たくなって、季節の変わり目はなんだか懐かしい感じで、
砂浜には鳥の足跡がいっぱいで、クラゲの死んだのが半分砂に埋まって
キラキラしていた。向こうには白い鳥の群れがいた。
道路には通勤の人たちが早足で歩いていった。
東京湾も捨てたものではない。
水が思ったより透明で、静かに音を吸収していた。
ずいぶん若かりし頃、悲しい時に友達がバイクに乗せて
何時間もかけて海へ連れて行ってくれた。そんなことを思い出す。
あの子は生きているんだろうか。
今、海は家の目の前にある。
今度はカメラを持って来よう。
もう少し早い時間にも来てみたい。