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忘れない、小学一年生の時の恩師

 

小学一年生になった息子。昨日は、家に先生が来られた。家庭訪問だ。

一言目に、頑張ってますよ、とのこと。

すごい。分かっているなあ。のんびりダラダラと、ヤル気の見えない息子。それが、真面目に格闘している、という風に見えるらしい。短い会話だったが、先生は、たったの二週間で、完全に息子という人物をつかんでいた。

なるほど、息子が、毎日帰宅するなり先生に言われた課題をこなすという異例の事態が起こるわけだ。入学前に、面談を申し込んで、校長先生と話させていただいたのも良かったのかもしれない。

ここからは、長くなるが、私の小学校入学の記憶。

私は1年2組、隣の席はしみずくん、下の名前もよく覚えている。さっぱりした落ち着いた感じの子で、立って手を繋がされ、体育館で入学式を終え、教室に戻ると、一人ずつ自己紹介。

あめみやくんから始まって、わだくんで終わると、続けて先生が、
「私は、みうらじゅんこです。」
と大きな声で言った。

びっくりした。「先生は」じゃなくて、「私は」だった。子供と対等でありたいという姿勢が心に響いたのを忘れない。

黒板に「みうらじゅんこ」と大きく書くと、学校を卒業して今日から先生になった、先生も一年生なんだということ、お父さん、お母さん、妹と、猫と暮らしていることを話した。また驚いた。大人なのに、子供がいなくて、親がいるんだ、私と同じなんだなと思った。

猫の名前は、ミンミン。もらった時、ダンボールの中か何かで、か弱い声でミーンミーンと鳴いていたから、ミンミンにした。

おじいちゃん、おばあちゃん家は、いといがわ、ってとこで、夏休みに行くけど、自然がいっぱいで、糸の魚の川、って漢字で書くんだけど、本当に、すごく細くて透明な魚が川を泳いでいて、綺麗だって。

先生の自己紹介がいちばん長かった。上品なピンクのツイードみたいなスーツを着て、眼鏡をかけていた。

現在はどうされているのか知らないが、計算すると、今年60歳前後。先生が歳をとったというより、自分とずいぶん近づいたんだろうなと思う。

どこでどうされているのか。いつかお礼を言いたい。


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